介護や老人ホームに関する豆知識
施設の引っ越し・転居手続きガイド|老人ホームの住み替えポイント
老人ホームの住み替えは、サービス内容の見直しや介護度の変化など、さまざまな理由で検討されます。しかし実際に引っ越しを進めるとなると、介護保険の手続き、現施設との調整、入居先の準備など、専門的な確認事項が多く発生します。
ここでは、現在の老人ホームから新しい施設への転居を検討している高齢者とその家族に向けて、引っ越しの注意点と手続きの流れをわかりやすくまとめました。
✅ 老人ホームの引っ越し手続きの基本事項
✅ 住所地特例の基本ポイント
✅ 老人ホームの引っ越し手続きの流れ
◎ 現在の施設から別の老人ホームへ住み替えたい
◎ 家族の住む家から近い施設にしたい
◎ 介護度や生活環境に合った施設へ移りたい
◎ 施設対応やサービス内容に不安がある
老人ホームの引っ越し手続きの基本
老人ホームの引っ越しでは、退去手続きと入居準備を並行して進める必要があります。
特に、介護保険の手続は自治体ごとに異なるため事前確認が重要です。
介護保険の手続きは自治体ごとに異なる
要介護認定そのものは転居で無効になることはありませんが、転入先自治体では手続きが必要になる場合があります。
● 要介護度の再認定は通常不要
● ただし自治体によって「継続申請」「資格証明書の提出」など追加手続きが必要なケースがある
● 転出元・転入先の自治体窓口への事前確認が必須
転居によるサービスの中断や遅延を防ぐためにも、早めの準備がおすすめです。
引っ越し時の「住所地特例」
介護保険制度には、施設へ住民票を移した際に適用される「住所地特例」という仕組みがあります。
住所地特例とは
老人ホームなどの介護施設へ転居し住民票を移した場合、本来は新しい自治体が保険者となります。
しかし、特例の対象となる施設に転居する場合は、従前の市区町村が引き続き保険者となる制度が用意されています。
介護保険財政の負担を公平にするための仕組みとして運用されています。
対象となる主な施設
・特別養護老人ホーム
・介護老人保健施設
・介護医療院
・有料老人ホーム
・サービス付き高齢者向け住宅(一部要件あり)
※ 必ず各自治体に確認が必要です。
住所地特例の手続きは必要
住民票を移せば自動で適用されるわけではありません。
転出元・転入先自治体の両方への届出が必要となるため、事前に確認しておくとスムーズです。
老人ホームの引っ越し手続きの流れ
本記事で紹介している流れは、一般的な一例です。
実際の手続きや順序は、入居している施設の種類、本人の状態、自治体ごとの運用によって異なる場合があります。
必ず担当のケアマネジャー、施設職員、市区町村窓口へ確認したうえで進めてください。
老人ホームから別の老人ホームへ引っ越すときの流れ (一例)
- 住み替えを検討する理由を整理する
まずは、引っ越しを考える背景を整理します。
【主な理由の例】
・介護度や医療ニーズが変わった
・今の施設では医療対応や看取りが難しい
・月額費用の負担が大きい
・家族が通いやすい場所へ移りたい
・本人と施設の相性が合わない
引っ越しをしたい理由を明確にすることは、新しい老人ホーム選びの基準にもなります。 - ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談する
次に、第三者の専門機関へ相談します。
【主な相談先】
・担当ケアマネジャー
・地域包括支援センター
ここで
・現在の要介護度で入居可能な施設
・住み替えが必要かどうか
・住所地特例の対象になりそうか
を整理してもらうことで、方向性が明確になります。 - 現在の老人ホームへ事前に相談する
住み替えを考え始めた段階で、現在の老人ホームにも一度相談しておくことが望ましいです。
この時点では、退去を確定させる必要はありません。
【伝え方のポイント】
・将来を見据えて住み替えを検討している
・まずは契約上の退去条件を確認したい
【確認しておく内容】
・退去申し出の期限
・日割り精算や返金の有無
・書面での退去通知が必要か
正式な退去通知は、次の施設が決まってから行います。 - 新しい老人ホームの情報収集と比較
条件が整理できたら、住み替え先を探します。
【確認すべき主な項目】
・入居条件(要介護度、医療対応)
・費用体系(初期費用、月額費用)
・看護師配置や介護体制
・協力医療機関
・立地や家族の通いやすさ
この段階で、住所地特例の対象施設かどうかも確認します。 - 見学・面談を行う
候補となる施設が決まったら、見学と面談を行います。
【見学時の確認ポイント】
・居室や共用スペースの環境
・スタッフの対応
・入居者の様子
・医療や緊急時の具体的な対応 など
本人が同席できる場合は、可能な限り一緒に確認します。 - 入居申し込みと必要書類の提出
住み替え先を決めたら、正式に入居申し込みを行います。
【一般的な提出書類】
・入居申込書
・介護保険証の写し
・健康診断書や診療情報提供書
この時点で、入居可能時期の目安が分かります。 - 入居確定後、現在の老人ホームへ正式な退去通知を行う
新しい老人ホームへの入居が確定、または確実になった段階で、現在の施設へ正式に退去の意思を伝えます。
【注意点】
・契約書に定められた期限内に通知する
・原則は書面での提出が必要
・退去日を明確にする
ここで初めて退去が確定します。 - 引っ越しと新しい老人ホームへの入居
退去日と入居日を調整し、引っ越しを行います。
【ポイント】
・必要最小限の荷物で移動する
・服薬内容や医療情報を新施設へ引き継ぐ
・ケアマネジャーへの情報共有
体調に配慮し、無理のない日程を組むことが重要です。 - (住所地特例に該当する場合) 住所地特例の手続きを行う
住所地特例の手続きは、新しい老人ホームへ実際に入居した後に行います。
【手続きのタイミング】
・新施設への入居日以降
・入居後、速やかに手続きを行う
多くの場合
・施設からの案内
・ケアマネジャーのサポート
を受けながら、元の住所地の市区町村へ届け出を行います。
※ 退去前や検討段階での手続きは行いません。 - 介護保険証などの情報更新を確認する
・保険証の記載内容に誤りがないか
・(住所地特例の手続き後には)介護保険の保険者が継続されているか
を必ず確認します。
老人ホームの住み替えは、段階を踏んで進めることが重要です。
流れを押さえておくことで、トラブルを防ぎやすくなります。
よくある質問
Q.要介護度は引っ越しで変わる?
A.転居が理由で要介護度が変わることはありません。
ただし更新時期に合わせて新たな調査が行われる場合があります。
Q.遠方への転居もできる?
A.可能ですが、家族の面会、医療連携、緊急時対応などが変わるため、慎重な検討が必要です。
まとめ
老人ホームの住み替えは、介護度や医療ニーズの変化、生活環境への不安、家族の事情など、誰にでも起こり得る選択肢の一つです。
ただし、実際の引っ越しには、介護保険の手続きや住所地特例の確認、現在の施設との退去調整、新しい施設の入居準備など、事前に整理すべき事が数多くあります。
特に、介護保険の取り扱いや住所地特例は自治体ごとに運用が異なるため、自己判断で進めると思わぬ手続き漏れやサービスの空白期間が生じる可能性があります。
ケアマネジャーや地域包括支援センター、施設職員と連携しながら、段階を踏んで進めることが重要です。
住み替えを検討し始めた段階で情報収集と相談を行うことで、選択肢を広く持ち、本人にとっても家族にとっても無理のない転居が実現しやすくなります。
焦らず、現状と将来を見据えたうえで、納得できる住まい選びを進めていきましょう。
老人ホームの住み替えでお困りの方へ
老人ホームの住み替えには、施設との調整や介護保険の手続きなど、専門的な確認が多く、不安を抱えやすいものです。
ティアの老人ホーム紹介サービスでは、ご本人やご家族の状況を丁寧に伺い、最適な施設をご紹介しています。
● 転居先の老人ホームを探したい
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